最高裁が初の判決を下し、犯罪被害者給付金の受給対象に同性カップルを認める

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犯罪被害者等給付金支給法(犯給法)は、「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む」という規定に基づき、給付対象となる配偶者について定めています。最高裁が事実婚状態にあった同性カップルを受給対象に含めたことで、同性カップルの申請が「門前払い」されることはなくなりました。

ただし、実際に支給されるかどうかは、同性カップルが事実婚と見なせる状況にあるかどうかを個別に判断する必要があり、差し戻し審ではこの点が審理されることが予想されます。

内山靖英さん(49)=名古屋市=は、14年12月に同居していた男性(当時52歳)を知人に殺害され、給付金の支給を申請しました。しかし、愛知県公安委員会は17年12月に同性同士であることを理由に支給を拒否する裁定を下し、内山さんはこれを取り消すべく提訴しました。

1審の名古屋地裁判決(20年6月)と2審の判決では、日本が同性婚を法的に認めていないことなどを踏まえ、「犯給法の規定にある『事実婚』には同性パートナーが含まれない」として、支給拒否の裁定が妥当であると判断されました。

内山さん側は上告審で、この制度の趣旨は犯罪被害者の権利と利益を保護するものであると主張し、「パートナーを失うことによる経済的、精神的損害は異性カップルと同じである」と述べました。一方、県側は「現在の日本の社会通念を考慮すれば、同性同士の関係に事実婚関係が成立するとみることは難しい」として、上告を棄却するよう求めました。

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