報道によれば、29歳の大谷翔平投手の通訳を務める水原一平氏(39)が20日、ドジャースから「巨額の窃盗の疑い」で解雇されたと、21日に地元紙ロサンゼルス・タイムズやスポーツ専門局ESPNなど複数の米メディアが伝えた。
ESPNが複数の関係者からの情報を得たところによると、水原氏は南カリフォルニアのブックメーカー(スポーツベッティング業者)にギャンブルで借金を抱え、その発端として大谷の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)が送金されたことが挙げられている。
大谷の弁護士を務めるバーク・ブレトラー法律事務所の広報担当者は、「大谷翔平が大規模な窃盗の被害者であることを確認し、この問題を当局に通報している」と述べた。
連邦捜査当局は南カリフォルニアのブックメーカーを運営するマシュー・ボウヤー氏を捜査中であり、大谷の銀行口座からボウヤー氏の関係者に複数回、送金されたことが確認されている。少なくとも昨年9月と10月には、50万ドル(約7600万円)ずつ大谷の口座名で送金されたという。
水原氏は19日に行われたESPNのインタビューで、「大谷はこの件に納得しておらず、二度と同様の事態を招かないように私を支援する(借金を補填する)と述べた」と述べた。
また、「翔平が賭博に全く関与していなかったことをみんなに知ってほしい。私はこれが違法であるとは知らなかった。スポーツ賭博は二度とやりたくない」と語ったとされる。
水原氏はなぜ大谷が直接ボウヤー氏に支払わなかったのか尋ねられ、「翔平は私を信頼していなかった。私がギャンブルでお金をなくすのを望まなかった」と述べた。しかし、後に水原氏はこの説明を撤回し、「大谷名義の送金」の実行者については不明瞭な点があるとした。
スポーツ賭博は米国内の約40州で合法だが、カリフォルニア州では違法である。水原氏は大谷とともに今春のアリゾナキャンプを過ごし、ドジャースナインとともに韓国・ソウルでの韓国シリーズに同行。20日の開幕戦でも大谷の取材対応で通訳を務めていた。
水原一平は1984年12月31日生まれ、北海道苫小牧市出身の39歳。1991年に米国ロサンゼルスに移住し、大学卒業後は岡島秀樹(レッドソックスなど)の通訳を務め、2013年から2017年まで日本ハムの通訳を務めた。2018年からは大谷の通訳としてエンゼルスに所属し、今季からは大谷とともにドジャースに移籍していた。
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